もうかれこれ1ヶ月半くらいは前の話で恐縮なのですが、


大分で開かれた 「フットボールカンファレンス」 に講師として招かれていたのが、


現在のフットサル日本代表監督のミゲル・ロドリゴ。


客人をもてなすのが得意で大好きなOFAとしては、


もちろん前日に歓迎会を設定して親睦を深めることになり、


ロドリゴに会えると言うことで、私も参戦!!


初対面ではなかったけど、


とにかくいつ見ても肌の艶が半端なく良くて、顔なんかツヤツヤ。


そして眼力がメッチャあって、


目が合うと少し照れてしまいます。


そんなロドリゴと、約3時間半くらいの時間飲み食いを共にすることが出来ました。


聞きたいことは山のようにありました。


でも私1人だけと話すわけじゃないので、


どの程度の話が聞けるのかがよく分からなかったので、


もしチャンスがあったら聞こうくらいの気持ちで考えていた内容は2つ。


1つは、トレーニングのメニューについて。


そしてもう1つは、試合における選手の起用方法と判断について。


あとはここから発展していろいろ追求できればラッキーと思っていました。


ところがところが、


私は現在の本職が 「体育教師」 なのですが、


まさかのロドリゴはスペインで元体育教師!!


スペインの学校現場でのフットサル事情や、


日本における問題点うんぬんから始まり、


体育の教師がどのようにしてプロのコーチになったのか、などなど、


接点がとても多いこともあって、


他の誰よりもたくさん話をすることが出来たような気がします。


もちろん私が聞きたかった話も聞くことが出来たし、


それだけじゃなく、


戦術的な話やトレーニングと戦術の関係や、


上達するってことの概念について、などなど・・・


本当に内容の濃い話をかなりたくさん聞くことが出来ました。


おかげさまで、結構頭の中を整理することが出来たような気がします。


このようなことでもないと、


フットサルについて、他の人から聞かれることはあっても、


自分が誰かに質問することはほとんど無いことなので、


とてもスッキリした感じがします。


なので今回は、


その貴重な話を少し紹介してみたいと思います。






まず、トレーニングについて、


これについてはロドリゴもスペインでサッカーのコーチングライセンスの勉強もかなりしているようで、


私がサッカーのライセンスの勉強をした時の内容と


同じような内容の話が多かったのですが、


トレーニングを作る際の要素として、以下のものがあります。


・ボールの数

・人の数

・敵の数

・ゴールの数と場所

・コートの広さ

・時間

・ルール(条件)


チームの課題だったり練習のテーマや目的に応じて、


これらの要素を少しずつ変化させてトレーニングを考えていくのです。


ロドリゴは、  「こんな練習をすれば良いですよ。」


って感じの答えを教えることは最初から最後まで絶対に無くて、


自分で考えてたどり着くことこそが最も大事だというスタンス。


答えを沢山知っているだろうに、


それらを全く見せびらかさないロドリゴはある意味素敵!!


でも、素敵だからって感心してる場合じゃなく、


どうにかして何かを引き出してやろうと貪欲に食らい付きました。


そうしたら、答えを言わないなりにもロドリゴの考え方が少し見えてきたような気がしました。


私の勝手な解釈ですが、


大切なのはトータルトレーニングなのだと思います。


攻撃のパターンなどをチームに浸透させるためにドリル的にパターンの練習をするのではなく、


2対2や3対3などの実践的な要素がある中で、


どう工夫すればトレーニングにねらいを持たせられるのか?


その工夫こそがチームの監督としての腕の見せ所のようです。


ロドリゴが言っていましたが、


日本っていう国は、


サッカーにおいてもフットサルにおいても、


判断力や決断力に大きな課題があるらしいのです。


だからこそ、相手(敵)がいる状態を常に作って、


判断ありきで全てのプレーをトレーニングしていくのが大事なようです。


あとはそのトータル的なトレーニングのなかで、


コーチとしてどのような声を掛けるのか?


コーチの言葉次第でトレーニングのテーマが変わってくると言われました。


そうやって考えてみると、


アズナの練習内容はそれなりに良い方向性なんじゃないかと思えました。


次に、試合における選手の起用方法についてですが、


対戦相手、スコアと残り時間 という試合そのものの要素と、


怪我や体調、メンタル面などの選手自身が持ってる要素。


これらを総合的に考えて決めていくのが理想だそうです・


まぁしかし、我々はしょせんアマチュアの身分ですから、


いつもいつの全員が試合に臨めるわけではないので、


別の制限がかかったり、


仕方なく妥協することも多々あると思いますが、


一応、考え方は分かったような気がします。


★対戦相手とは?


まずは格上なのか格下なのかの力関係の判断と、


攻撃型のチームなのか、守備型なのか、


そして攻撃のスタイルはポゼッションタイプなのかチャレンジタイプなのか。


守備のスタイルはマンマークなのかゾーンなのか、そして弱点は何か?


とにかく相手チームの材料を手に入れることは大事ですね。


そして、自チームの選手の状態をしっかり把握しておくこと。


選手達のプレーでの癖や、長所と短所くらいは頭に入れておきたいですね。


そしてあとはベンチーワークの経験を積むことだと思います。


ベンチワークを選手達に任せてしまったり、


疲れた者を自己申告で交替させるような事後処理のようなベンチワークではなく、


ある程度は40分の試合を頭でシミュレーションしておいて、


選手交代のプランを可能性として持っておくと良いと思います。


これぐらいの努力をしておけば、


プランが失敗に終わったり、機能しなかったりして結果を残せなかったとしても、


1つの経験として必ず糧となり、次に繋がっていくはず。


だいたいこんな話だったと思います。






今回、ナショナルチームを指導するような指導者の話を伺って、


レベルそのものは全然違うけど、


ベクトル(方向性)は間違っていなかったと感じることが出来ました。


具体的な練習内容はとうとう聞き出せませんでしたが、


ロドリゴが言うように、自分なりに試行錯誤して考え出していきたいと思います。






日本のフットサルはスペインの30年前を見ているようだと言っていました。


30年前のスペインは、


フットサルとサッカーを別物扱いする指導者と同一的感覚を持つ指導者の両方に分かれ、


意見も食い違っていたし、隔たりが大きかったそうです。


でも今のスペインでは、


フットサルとサッカーの融合に疑問を持つ指導者は全くいないそうです。


ここに今の日本、いや大分のヒントがあるような気がします。